最終章

去年の五輪のSPでスケート人生最大の失敗をやらかし、リベンジもメダルもすっ飛んだ絶望の中の翌日のFSで、3Aをキメ、エイトトリプルという史上誰もなし得なかった超絶演技を見せ、自己ベストを更新。世界中の感動を呼び、泣きながらリンクを去った。

 その後の世界選手権では、ライバルのいない中あっさり優勝。1年間の休養を表明し、表舞台から姿を消す。アイスショー出演や東日本大震災被災地訪問は時おりニュースになっていたが、去就については

「ハーフハーフw」

 という人を食った返答を繰り返していた。

 その人物が、今日現役復帰を表明。ハーフではなく「100%」である。

 24才になった彼女は、今後10代の若手と戦うことになる。代名詞ともいえる3Aは、今年ロシアのトゥクタミシェワに成功され、唯一無二ではなくなった。地元の日本でも、宮本や本郷などの10台の新鋭が頭角を現している。”過去のエース”呼ばわりするくちさがない向きもあるだろう。

 だが、彼女は戦いに戻る。今度こそ、
3度目の正直で金色のメダルを取るために。

 これから3年間、浅田真央の最後の挑戦を見届けよう。