フォースの覚醒 レビュー3

 ●VFX

  EP4の冒頭、全観客の度肝を抜いたスターデストロイヤーの底面アップ&ロングスクロール。モーションコントロールを初めて採用し、EP5では氷の惑星での雪上戦車AT-ATとの大バトルに興奮し、EP6では森の中のスピーダーチェースに興奮した。EP1~3では、台頭してきたCG映像の進化を見せてもらった。スターウォーズはVFXの進化の過程と共にあったのだ。

 でEP7、CG映像は進化し、クリエイターのイメージをほぼ忠実に映像化することが可能になった。ということは、リアルを追求すればかなりの所までイケるのだ。

 とはいえ監督のJJは実物にこだわり、1/1のミレニアム・ファルコンを作ってしまうなどのこだわりを見せた。たださすがに飛んでいるものを実際に作るわけにもいかない(物理的制約もあるし。)のでCGになるが、まあ画面上は自然に飛行しているし、ファルコン・チェイスではハイパーアクロバティックな飛行をバッチリ決めていた。Xウイングは実物ライクなカッコいい戦闘機で、水面スレスレを飛行するときの水煙の立ち方など見事なものだった。
物理的事象をも忠実にCG化するというのは、ちょっと考えればその技術は大変なものだ。EP5では画面内に数機飛んだだけでも合成の跡がはっきり見えたが、今回は画面内に数十機のXウイングと帝国軍機が入り乱れた大乱戦でも合成の痕跡が見えない。よくできている。

 今回は「おおっ!」という映像上の新機軸はなかったが、画面上で違和感を感じさせなかったということは、それだけ成熟したレベルの高いVFXだったという証明だったのだろう。

 なお、シリーズのお約束で最終バトルはライトセーバーによるチャンバラだが、初期は時代劇を見て育った自分には失笑もので、EP3のオビ=ワンvsアナキンのラストバトルはなかなかだった。今回はそう目につく点はなく、普通のチャンバラだった。しかしライトセーバーはカッコいいなあ。

 ということで、3回にわたったこの記事。来年7月のEP8を楽しみに待とう。(おわり)