あれから2年
2年前の今日、ブラジルW杯のvsコートジヴォワール戦を見た日の夜、その頃ネコのえさをつまみ食いに出没していた子猫が捕獲され、以後うちの一員となった。
ネコのベリーちゃんだ。名前の由来は、名付け親の妹曰く
「よくしゃべるから。おしゃべりーのベリー。」
という安易なものw。最初はオドオドしていたが、じきに慣れ、いつしか先輩の2匹を押しのけてエサを食べるようになった。
子猫は元気がデフォ。家中を走り回り、ぶらさがっている紐には飛び付き、動いているものには飛びかかる。タオルなど振ってやるとてきめんであった。あちらが気づいてないときに床を叩くと、本当にマンガのように全身で飛び上がって後ずさったのには笑ったものだ。
1ヶ月ほど経つと、先輩の作ったルートを覚え、外の見回りに行っては夕方に縁側から帰ってくるというルーティンワークも覚えた。その頃は午後のウォーキングを終え、寝転がっている時間だったので、ほぼ毎日
「...何してんの?」
と近くを歩いては寝てこちらを見ていたものだ。
寝ころぶベリーちゃん。
こちらは決まってタオルを出し、猫じゃらしとして使い遊んだ。暑い夏の夕暮れの一時の暇潰しだった。
暑い夏をやりすごし、移動が決まった10月の始め、旅立ちの朝に引き戸のすき間からちょこんと座って
「どこ行くの?」
とでも言いたげな姿が印象的だった。先輩の2匹には、その朝にお別れを言えたのだが、ベリーちゃんとはちゃんとしたお別れが言えなかったのが心残りとなった。
離れた場所での生活が始まり、それなりの日常を暮らしていたが、実家のネコちゃんズは気ままに暮らし、ゆったりとした日常を送っていた。ベリーちゃんは順調に大きくなり、子猫から立派な大人のネコとなっ
エサを待つ3匹。
今年の冬、実家に電話し妹と話していて、ベリーちゃんの話になった。元気かと言っていると、受話器に
「ナーーーー。」
という鳴き声が。ベリーちゃんが妹のところにやってきたのだ。恐らく
「誰よ?寒いからコタツ入れて。」
と言っていたのだろう。喜んで電話口に呼び出し、呼びかけると
「ナーーーーーーー。」
という鳴き声。恐らく
「だから誰?とにかく寒いから早く入れて。」
と言っていたのだろう。
それが、ベリーちゃんの声を聞いた最後になった。それからしばらくして、ベリーちゃんは事故で、2度と会えなくなってしまった。1年半ほどの短い生涯だった。
で、今日が2年目だ。残念なことにこれから夜勤だが、明日朝帰ってきたら国産の(妹指定)ネコ缶を買って、2年目ののお祝いにお供えしよう。今いるところでは先輩になるソラちゃんと仲良くやっていることだろう。
やあベリーちゃん、元気かい?
こっちは大変だけど、何とかやっているよ。
妹に頼んで、お供えものは手配したよ。まあゆっくり楽しんで。
こっちは明日の朝用意するから、もう少し待ってね。
いつかまた橋の近くで。行けるかどうかは分からないけどw。じゃあ、また来年。
エサを待つ3匹。一番右がベリーちゃん。