教則ビデオ②:スティーブ・ポーカロ
先ほどのルカサー先生に続き、今回はスティーブ・ポーカロ講師。TOTOのツインキーボードの一人で、シンセ担当である。優男のルックスだが、ライブで半端なくアクティブに動いてプレイするのを見て驚いた記憶がある。
・ファーレンハイト・・・DXシリーズがメイン
・セブンス・ワン・・・PCM音源を融合したSYシリーズがメイン
プレイではもう一人のキーボード、ディビッド・ペイチ氏がジャズのアプローチを活かしたアプローチを特徴にしているのに対し、意外とストレートなソロフレーズが多い。印象的なものは「Ⅳ」に収録されている" Waiting for Your Love "という曲の中間のソロだ。流麗なソロに加え、印象的なフレージングだが、PVを見ると弾いているのはスティーブ氏で、後半のペイチ氏の早弾きパートに受け継ぐのだ。
コンポーザーとしても独特のムードを持った曲が多く、あのマイケルの名曲「 Human Nature 」の作曲者でもある。
そのスティーブ氏の教則ビデオは、
・機材の紹介
・MIDIシステムの紹介
・シーケンサーの活用
・ミニムーグのサウンドメイク
・シーケンサーの活用Ⅱ:ドラムマシンを活用する。
・サンプラー+アナログシンセ
と続く。
収録の場所は氏のプライベートスタジオだが、そのシステムは
・スレイブ・・・ヤマハDX-7ii、オーバーハイムXpander
・ドラムマシン・・・オーバーハイムDSX
・シーケンサー・・・ローランドMC-500
まあ、ベンツCクラスといったところか(どこがだw)。
このビデオでもっとも参考になったのは、後のシンセサウンドの主流となるサンプリング音源+アナログ音源のハイブリッドサウンドだった。
例えばストリングスのサウンドを考えると、サウンドの一番最初になるストリングスのアタックの部分。この部分の波形は複雑で、アナログでシミュレートするのは困難である。そこで、サンプラーでその部分(ストリングスのアタック音)を出し、その後にアナログシンセの音を出せば、より良い音になるというのだ。イミュレーターのストリングスのアタック音を短くし、そこからXpanderのストリングスをライブでミックスしていくのだが、そのサウンドの良さといったら...!早速自分のシステムで試すと、大いに満足いく結果が得られたものだ。
今の技術なら、アナログのシンセの発音機構そのものをシミュレートし、デジタルの音源取り込みの容量は膨大なものになっているが、現有の機材を駆使して「いい音」を追求する氏の姿勢は、参考になるものだった。
ちなみにオープニングのデモ演奏は、DXのカコカコしたサウンドが散りばめられたすごくいい曲である。ようつべにはコーナーごとに散らばっているようだ。
- 出版社/メーカー: ビデオメーカー
- 発売日: 1990/08/13
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