半世紀を超えて(追加+訂正)



 「ビートルズの演奏は本人達に聴こえていたのか?」

 日本武道館のキャパが半世紀の間に増えたわけではない。昔TOTOのライブに行ったことがあるが、あの歓声を圧倒するような大音量に、数日耳鳴りがしたほどだ。ググってみると、当時彼らの使用していたVOX(*)製ギターアンプの出力は30W。今にすれば数万円のアンプなら軽く超える出力だ。ちなみに最後に使用していたギターのサウンドシステムに組み込んでいたパワーアンプ(MosValve製)の160Wだった。数字だけなら10倍は超える。

 更に、自分が出している音のチェックをするモニターシステム。大昔はステージ上のアンプ=PAシステムだったので、出音量にもある程度の制約があった。(他の人がうるさいから)また、会場内のPAは、あくまでアナウンス用のものであり、帯域の広い音楽用ではなく、出力も知れたものだったろう。だいたいライブ会場に行ったときにステージの左右にそびえる大きなスピーカーシステムなどない。

 今ようつべで確認しても、通常は個々の太鼓に当たっているマイクはなく、オーバーヘッドに2本あるだけ。アンプは縦長のもの。ギタリストの足元にあるような複雑なエフェクトボードなど存在せず(てことはノーエフェクト!?)、まあ高校の学園祭の教室ライブにも劣る設備である。

 それでも、もし何かあったら国辱ものと頑張った警察が3000人もの警官を配置し、

「立つな動くな大声出すな」

 と威嚇(?)したせいか、本人たちはプレイが聴こえていたようだ。(ソースはwiki

 今じゃビルのようなスピーカーシステムと、それを駆動するおそらくkw単位のパワーアンプは、環境を圧倒する大音量を提供するが、昔はのどかなものだったのだ。

【前エントリの訂正】

 映像を確認すると、ジョンとジョージの持っていたのはエピフォン製のギターでした。この「カジノ」というモデルはセミアコタイプのギターで、ビートルズのメンバーはよく使用していた。後期になるとジョンがよく使い、「レボリューション」や有名な「ルーフトップコンサート」でも使用している。ポールもこのモデルを愛用し、ソロになってからの作品でもよく見かけた。以前のライブでもあの有名なベースと共に使用している。おカネがあったら手元に欲しい一本である。

【ルーフトップコンサート】

 ビートルズが解散の危機に瀕していたとき、「もう一度原点に却ってライブをやろう。」というポールの呼びかけで、映画「LET IT BE」のハイライトとして、ロンドン市内に自分達のレコード会社アップルのビルの屋上で行ったゲリラライブ。オフィス街に響き渡る大音量の音楽に人々は驚き、やがてそれをやっているのがあのビートルズだと分かると辺りは騒然となった。ほどなく警官がヤってきて、「何やってんだ、止めろ。」とスタッフとモメているのを見たポールがプレイしたのが、あの有名な

 「Get Back」(意訳:帰れオメエら)

 である。ロックだねえ。

なお、結局このライブは警官により中断するのだが、リンゴの「ありがとね。」という言葉に続け、

「ありがとう。グループを代表してお礼を言うよ。オーディションに受かるといいね。」

(爆笑)

 発言はもちろんジョン・レノン。ロックだねえ。(この台詞は、" Get Back "のエンディングで聴けます。)

 そうそうこれこれw。