奇跡は起きます。起こしてみせます!

 世界選手権を前人未到の6連覇中の「絶対王者内村航平。先日念願の男子団体の金を獲得し、パズルのピースは埋まったかに見えたが、王は貪欲である。44年ぶりの2連覇に向け臨んだ。

 

 しかしここにウクライナの新星が待ったをかけた。王同様の高得点を叩き出し、王とのマッチレースを展開。勝負は最終の鉄棒に委ねられた。

 ところが王はここでリミッターを解除。完璧な構成と着地で高得点を出し、若者の演技を待つ。

 若者はここでしくじった。本来の能力であれば十分に出せるであろう得点のプレッシャーに怯んだか、終始無難な演技構成で臨み、あまつさえ着地をしくじり、一歩動いたのだ。

 これが命取りとなった。結局得点は王者の打倒に0.1弱足りない数字に留まったのだ。覇権の奪取に安全策は無用。覇道は残酷だった。

 

 かくして絶対王者は辛うじて覇権を維持。日本中を歓喜の渦に包んだのだった。おめでとう。

 

● そうそう起きない。

 

 U-23代表は最終戦のスウェーデン戦。勝利が絶対条件の代表は前戦同様積極的に臨み、後半素晴らしいサイド突入からのクロスで先制。そのまま守りきり初勝利を上げるが、同時開催のナイジェリアーコロンビア戦でまさかの2ー0でコロンビアが勝利。この2チームが予選突破し、日本の敗退が決まった。

 

 結果が全てなので、個々のプレーヤーをあげつらうことは控えるが、歴代の代表に存在した「輝く宝石」は見当たらなかった。アーセナル移籍の浅野はその片鱗を見せ、輝くプレーを垣間見せたものの、他は...。

 このメンバーがロシア以降のW杯の主力になるのかと思うと、未来はいささか霞んで見える。

 

「何も持たないものは、何も得ない。」

 

 ということなのだろうか。