NHKの本気

 第1回目を偶然見て、あまりの面白さに驚嘆した「トットてれび」本人の生き霊が憑依したかのような満島ひかりの名演技は必見である。

 テレビ放送、あるいはNHKの歴史と共に歩んできた彼女のクロニクルをドラマ化しただけあって、セットから音楽からまあ作り込みがハンパない。登場するキャラクターも往年の大スターを豪華なキャストを起用していて面白い。1エピソードは30分とやや短いが、その分濃密でもある。

 昨日夕方、第6話の再放送があり、喜んで観た。フィーチャーされたのはある程度の年配の方ならみんなが知っている「寅さん」こと渥実清とのエピソードだ。

 喜劇役者上がりでテレビに馴染めず、周囲との軋轢を引き起こす渥実に徹子さんはそれをたしなめ、「これを読め。」と一冊の本を渡す。それは児童向けの「ほしの王子さま」。最初は適当に読んでいたが、内容に感ずるものがあり、それを指針とする渥実。やがて二人は
「お兄ちゃん。」「お嬢さん。」と呼び合い、打ち解けてゆく。

 誰もが知る有名な映画シリーズで一躍国民的スターとなっても、二人は緊密な友人関係を維持する。ゴシップ的な野暮な詮索など無用の二人だったが、あるとき渥実の方がしばらく音信不通となる。撮影現場を見舞った徹子さんを歓迎する渥実。「返事もないなんて、さては女といたんでしょ?」と突っ込む徹子さんに

「...お嬢さんはホントにバカだねえ、ハハハハハ。」

 と笑う渥実。これが二人の最後の会話となった。渥美の没後、誰もいないスタジオに佇む徹子さんの横に渥美が現れる。着ている衣装は、彼がブレイクのきっかけとなり、徹子さんと知り合った頃のピエロの格好だ。セットの町を二人で練り歩き、「男はつらいよ」のテーマを歌う二人。歌い終えると、彼は列を一人で離れて近くのお店に入り、お店の裏口に手を振りつつ消えていった。

 ...泣けました。😢 何と切ない。この前の回(向田邦子をフィーチャー)も是非見たい。今週は最終回。森繁久弥がゲスト。何とか観たいものだ。

 NHKは時おりこういう物凄くいいドラマを作るから侮れない。さすが国営放送。お見事。




お供えもの


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 昨日の夜に、少し離れた「サークルK」までチャリで行って買ってきた。先輩のソラちゃんと取り合わぬように、まぐろとかつお1個づつである。隅っこに置いても何なので、ベランダの手すりに安置。強風でも吹かぬ限り、落ちることもなかろう。一週間ほどお供えすることにしよう。ホントは開封したいけど、衛生面を考慮しこのままで。

 今は居心地のいい場所にいる2匹へ。

 約束の品です。開いてないからいささか食べにくいだろうけど、気は心。仲良く楽しんでね。できれば感想を寝ている間にでも伝えてくれると嬉しいなあ。じゃあ、また。

 さて明日からは日勤3連戦。また歩こう。

Why Japanese People!?

 4年に1度の大イベントなのに、まだ1秒も映像を見ていない。フランスで開催されているサッカー欧州選手権、通称「EURO2016」である。

 まあ一言。


 あのですね、日本人は一人も出場しません。MSNも出ません。クリロナも出ません。

 当たり前だけど。

 とはいえこの大会はW杯に次ぐ重要なイベント。向こう数年のサッカーの戦術に大きな影響を与えるヨーロッパサッカーの総合見本市ですぜ。どうして注目せずにいられようか?

 で、放送はWOWOWが独占放送。一般のスポーツニュースで予選リーグの試合映像は一切なし。

 分かってます。Yeah, I know well.


 WOWOW入れっつう話ですよね、はいごもっとも。


 みんなビンボが悪いんや。(決まり文句)

 ちなみに南米選手権コパアメリカ)も開催中。何かブラジルが予選敗退したらしいですが。ドゥンガさん何やってんの?

 ひるがえって日本代表。

 突如勃発したアモーレ祭りはまあ1試合で終わったとして、9月の最終予選が本番。皆さん身体のケアは充分に。期待してます。

 で、U23リオ代表のOA(オーバーエイジ)枠、候補の3人...あれでいいのだろうか。基本A代表でレギュラー張ってる人だと思うが。なぜにミランの10番とかドルトのユニコーンとか、エースクラスの起用の話が出ないのだろうか?クラブとカネの問題?なんか寂しい話である。

 まあベスト8レベルの試合はせめて見たい。地上波はNHKくらいやってくれないかな。

憩いのひととき。

 夜勤終了...orz。スマホによる歩数計測によると、行き帰りで約30000歩!24kmを歩いたことになる。我ながらタフなものだ。足の裏に痛みは残るが、今日明日の休日でせいぜい回復せねば。外は結構蒸して暑い。いやな季節が近くなってきた。

 北陸の夏はどんなかなぁ?


 さて、配信サービスKKBOXはこのところ着実にカタログ増加中。個人的に好きなAORのカタログが加わって嬉しい。

▲ "  Welcome to the Real World / Mr.Mister "

ウェルカム・トゥ・ザ・リアル・ワールド

ウェルカム・トゥ・ザ・リアル・ワールド


 LAのバックコーラスで有名なリチャード・ペイジが中心となって結成されたバンド。ハード系のロックサウンドとハイトーンのコーラスが売り物だった。荘厳な感じを持つ"  Kyrie (キリエ)"が大ヒット。ちなみに自分のバンドでもコピーした。分厚いシンセサウンドも特徴だったので、コピー時にはシンセの音色に気を配った記憶がある。キリエは80年代ヒット集にあったが、このアルバムは長く配信がなかったのだ。今回入って嬉しい。

▲ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース

Greatest Hits

Greatest Hits



 西海岸出身でありながら、AORではなくストレートかつオーソドックスなロックサウンドで勝負するバンド。ホーンセクションの入ったバンドのサウンドは非常にライブ向きで、かつてライブを見たときに、最初はともかく徐々に盛り上がり、最後は会場全体が大盛り上がりとなり、

「ライブバンドとはこういうことか!」

 と感心した覚えがある。自分のライブでも
" The Power of Love  "" Hip To Be Square " "If This Is Love "の3曲をコピーした。この曲はあの驚異の大傑作映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー」のテーマ曲だったので耳馴染みもよくて盛り上がったものだ。超ライブでへヴィーなドラムがコアとなるロックなサウンドは、当時のやや貧弱なドラムマシンヤマハRX-5の音では迫力が足りなかった。今ならデジタルリヴァーヴ+コンプレッサーという迫力エフェクトもたやすいが、そういう考えには到らなかった。

 無知は罪ー Innocent is sin.である。

 とまあ、徐々にお気に入りが増えて嬉しい限り。

あれから2年

 2年前の今日、ブラジルW杯のvsコートジヴォワール戦を見た日の夜、その頃ネコのえさをつまみ食いに出没していた子猫が捕獲され、以後うちの一員となった。

 ネコのベリーちゃんだ。名前の由来は、名付け親の妹曰く

「よくしゃべるから。おしゃべりーのベリー。」

 という安易なものw。最初はオドオドしていたが、じきに慣れ、いつしか先輩の2匹を押しのけてエサを食べるようになった。

 子猫は元気がデフォ。家中を走り回り、ぶらさがっている紐には飛び付き、動いているものには飛びかかる。タオルなど振ってやるとてきめんであった。あちらが気づいてないときに床を叩くと、本当にマンガのように全身で飛び上がって後ずさったのには笑ったものだ。

 1ヶ月ほど経つと、先輩の作ったルートを覚え、外の見回りに行っては夕方に縁側から帰ってくるというルーティンワークも覚えた。その頃は午後のウォーキングを終え、寝転がっている時間だったので、ほぼ毎日

「...何してんの?」

 と近くを歩いては寝てこちらを見ていたものだ。


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寝ころぶベリーちゃん。

こちらは決まってタオルを出し、猫じゃらしとして使い遊んだ。暑い夏の夕暮れの一時の暇潰しだった。

 暑い夏をやりすごし、移動が決まった10月の始め、旅立ちの朝に引き戸のすき間からちょこんと座って

「どこ行くの?」

 とでも言いたげな姿が印象的だった。先輩の2匹には、その朝にお別れを言えたのだが、ベリーちゃんとはちゃんとしたお別れが言えなかったのが心残りとなった。

 離れた場所での生活が始まり、それなりの日常を暮らしていたが、実家のネコちゃんズは気ままに暮らし、ゆったりとした日常を送っていた。ベリーちゃんは順調に大きくなり、子猫から立派な大人のネコとなっf:id:ponkotsuworker:20160614185824j:image
エサを待つ3匹。

 今年の冬、実家に電話し妹と話していて、ベリーちゃんの話になった。元気かと言っていると、受話器に

「ナーーーー。」

 という鳴き声が。ベリーちゃんが妹のところにやってきたのだ。恐らく

「誰よ?寒いからコタツ入れて。」

 と言っていたのだろう。喜んで電話口に呼び出し、呼びかけると

「ナーーーーーーー。」

 という鳴き声。恐らく

「だから誰?とにかく寒いから早く入れて。」

 と言っていたのだろう。

 それが、ベリーちゃんの声を聞いた最後になった。それからしばらくして、ベリーちゃんは事故で、2度と会えなくなってしまった。1年半ほどの短い生涯だった。

 で、今日が2年目だ。残念なことにこれから夜勤だが、明日朝帰ってきたら国産の(妹指定)ネコ缶を買って、2年目ののお祝いにお供えしよう。今いるところでは先輩になるソラちゃんと仲良くやっていることだろう。


 やあベリーちゃん、元気かい?


 こっちは大変だけど、何とかやっているよ。

 妹に頼んで、お供えものは手配したよ。まあゆっくり楽しんで。

 こっちは明日の朝用意するから、もう少し待ってね。

 いつかまた橋の近くで。行けるかどうかは分からないけどw。じゃあ、また来年。

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エサを待つ3匹。一番右がベリーちゃん。

一夜遅れの最終回:「ラブソング」

夜勤を終え、帰宅後に「フジテレビ・オン・デマンド」の無料放送で視聴。

 結婚式のスピーチから「SOUP」の演奏まではよかったが、突如雷鳴と共ににわか雨が降りだし、不穏な空気に。

 ヒロインのさくらは、手術承諾書へのサインを拒む。まあ無理もない。心配する皆の前に福山さん登場。ベッドサイドでおもむろに弾き語るのは、彼女との出会いの曲「500マイル」。これは素晴らしかった。不安を吐露して泣くさくらを優しく慰める福山さん。いいシーンだ。

 そして手術。これがあっさり成功。声帯は温存され、彼女の声は残った。手術を勘案して退院日までは声を出さず、退院日にパーティーを開こうと準備する周囲。ところがここで怒濤の展開が。


 パーティー当日、ヒロイン蒸発。

 置き手紙によると

 空一・・・気持ちが重くて応えられない。
 真美・・・福山さんへの思いを断ち切れなくてツラい。

 だから一人で暮らします...ですと。


 さくらクン、君が何を言っているのかボクには分からないよ!



  その後、さくらは新しい土地でスタートを切った。福山さんには居所は知らせないが、一応元気でやっているということを知る。安心する福山さん。まあ、ある意味さくらがフッた形になる新しい恋の決着となった。


  2年後。

  福山さんはトップアーチストのサウンドプロデューサーとして、活躍中。ふとしたことで彼がさくらと作った「好きよ好きよ好きよ」という曲の使用許諾を得るため、福山さんはさくらのもとへ。海沿いの街で整備工として暮らす彼女。姿を見かけ追いかける福山さんに、「SOUP」の歌声が。

 歌っていたのは彼女だった。路上でギターを抱え歌う彼女。横にはいつものように献身的に彼女を支える空一の姿もある。彼女は音楽を止めておらず、今も現役で歌っていたのだ。

 納得したように彼女の歌声を聴き、クールに去る福山さんであった。(終劇)


 ...ざ、斬新な最終回だった。最大の懸案事項であったヒロインの重病をあっさり片付けたので、絵にかいたようなハッピーエンドにはならないと思ったが、まさかヒロインが失踪するとは意表を突かれた。フッた男を引きずらずに、新しい生活を始めるのが変にウェットにならず現代的である。さくらに敢えて声をかけず、某石油財団の創始者のごとく陰から見守る形にしたのも、まあ納得。彼女は福山さんの活動もフォローている表現もあったし、いかにもクールに断ち切ったわけでもない。視聴率という枷がなければ、スペシャル版としての続編の製作もありそうな感じではあるが...残念だがそのメはないだろう。

 藤原さくらという新しい才能を得た。数字は振るわなかったとはいえ、とってつけたようなテコ入れでドラマを変にいじくることなく、まあ納得できる形で着地できたのはよかったのではないだろうか。

 まあ好きだったよ、「ラブソング」。藤原さん、またどこかで、近いうちに。

good morning

good morning

シンセサウンドのカレイドスコープ(万華鏡):Human Nature from ' Thriller 'by MJ

 世界で最も売れたアルバムといえば、言うまでもなくキング・オブ・ポップマイケル・ジャクソンの「スリラー」だ。どの曲をとっても超一流の仕上がりの捨て曲なしという神アルバムだが、個人的に印象深いのは、ダンサブルでポップなチューンが満載の中で、何とも異彩を放つこの曲

" Human Nature "

 である。誰もが聴いた瞬間に覚える浮遊感に満ちたシンセのイントロと、メカニカルなバックトラックと抑制の利いたヴォーカルは魅力たっぷり。実にいい。ライブでも幻想的なライティングと情感に満ちたスローなダンスで、雰囲気たっぷりの空間を醸し出している。没後公開となったフィルム" This Is It "でも、このシーンは良くて何度も見返した。

 ところでこの曲、いかにもデジタルっぽいが、実は「スリラー」の発表が1982年なので、ほとんどがアナログである。デジタルなのは当時出現したばかりのリズムマシンくらいで、この曲のイントロはいかにもであるが、手弾きである。びっくりしたのは絶対リズムマシンだと思っていたドラムトラックが生のドラムであったことだ。アクセントを抑えた機械的なドラムを貫徹したのは、やはりグルーヴマスター、ジェフ・ポーカロ様である。お見事。

 加えてこの曲はフワッとしたイントロのシンセとか、ヴォーカルのバックにメロディをなぞる不思議なコロコロした音色(ひょっとしてシンクラヴィア?)といい、魅力的なシンセの音色が満ちている。作曲者であるスティーブ・ポーカロ先生(TOTO)の面目躍如といったところだ。氏の教則ビデオ(あるんですよそういうのが)を見ると、複数のメロディを個別に記録した「ヤダ・シート」と呼ばれるものを使って、こうした重層的な構造の曲を構成していったようだ。ただ、先ほど手弾きと書いたが、ビデオ内ではRolandシーケンサー(今のようなものではなく、初期のシンプルなもの)を使用した曲作りもあったので、部分的に使用している箇所はあるのかもしれない。

 とりあえず結論としては、

  「オーバーハイムのMatrix-12が欲しい。」

 これだな(安易なw)。

 あの「TOTOホーン」の音色とか、恐ろしくウォームなストリングスの音色とか、確か当時は64万円ほどしたような。今はソフトで再現も可能であるので、おカネがあれば...ねえ。

Thriller (Spec)

Thriller (Spec)